2018/09/12

インクライン・ベンチプレスで鍛えられる筋肉
ベンチプレス系の種目は、胸筋を鍛えていくトレーニングです。筋トレをしたことがない人でも聞いたことはある筋トレの一つだと思います。
ベンチプレスは、デッドリフト、スクワットと合わせて、筋トレBIG3と呼ばれています。
筋トレBIG3は、身体の中で大きい筋肉(胸、背中、太もも)を中心に鍛えることができます。また、サブターゲットとして他の様々な筋肉も同時に鍛えていくことができます。そのため、『初心者は筋トレBIG3と呼ばれる3種目さえやっていれば間違いない』と言われるほどです。
これからトレーニングを始めようと思っている方は、この3種目をメインに、他の種目と組み合わせるようにしてメニューを考えていくと、分かりやすいかもしれないですね。
インクライン・ベンチプレスは、胸筋だけではなく、肩や腕の筋肉も同時に刺激します。したがって、コンパウンド種目(多関節種目)に分類されるトレーニングです。
メインターゲット 大胸筋上部
インクライン・ベンチプレスでは、胸筋の中でも特に上部を鍛えていきます。
胸筋上部を鍛えることで、肩から胸へのボディラインが美しく見えますし、胸筋自体の形も整います。
フラットベンチでのベンチプレスばかりしてしまうと、胸筋中央だけが膨らんでしまい、胸筋の形が不恰好なまま肥大化してしまいます。
せっかく鍛えているのに、それでは勿体無いですよね。形の良い筋肉にするには、バランス良く鍛えていかなければなりません。
また、胸筋上部は、夏場で一番目立つ部分でもあります。
鎖骨下あたりから大胸筋上部に当たるので、そこを鍛えられていると、Tシャツやカッターシャツを着ている時に胸筋の存在感が増します。
洋服をより一層カッコよく着こなすためにも大切ですよ!
サブターゲット 三角筋前部、上腕三頭筋
三角筋前部は肩の前側にある筋肉、上腕三頭筋は二の腕に当たる部分の筋肉です。
サブターゲットなので、かなり負荷がかかるわけではないですが、ある程度の刺激を与えることができます。
フラットベンチを使ったノーマル・ベンチプレスよりも、インクライン・ベンチプレスの方が、三角筋への刺激が多くなります。
三角筋は主に肩関節を動かすのに関係していて、物を投げたり、ラケットを使う動作によく使われています。そのため、野球選手、テニスプレーヤーなどで鍛える人が多いですね。
三角筋を鍛えることで、肩幅が広くなり、がっしりとしたイメージを出すことができます。逆三角形の体型を目指している人は、鍛えておきたい部位ですね!
上腕三頭筋は、腕を伸ばす時に収縮される筋肉なので、物を押す動作に関係しています。
腕の筋肉の中では、上腕三頭筋が一番大きい筋肉です。なので、腕を太くしたい、たくましい腕を手に入れたい、という人は、上腕二頭筋(力こぶ)よりも、上腕三頭筋を鍛えた方がいいですね!
インクライン・ベンチプレスの詳しいやり方
インクライン・ベンチプレスで必要な道具は、角度の変わるベンチとバーベルセットです。
これらの道具が全部家に揃っている人は、あまりいないと思うので、基本的にはジムに通って行うようにしましょう。
自宅で行う人は、バーベルを落とさないように、安全に気をつけて行いましょうね。
- ベンチを30~45度の角度にセットします。
- バーベルの高さを調整し、高さが決まったてから重りをつけていきます。
- ベンチに仰向けになり、足を地面につけて踏ん張り、肩甲骨を寄せて背中にアーチを作り、胸を張ります。
- 肩幅の1.5倍くらいの位置を握り、ゆっくりとバーベルを上げます。
- ゆっくりとバーベルを鎖骨付近に降ろしていきます。
- 降ろしたところで一旦止め、一気にバーベルを上げます。
- 4~6を繰り返します。
動画もチェック!
動画で一連の流れもチェックしておきましょう!
重量やセット数について
インクライン・ベンチプレスでは胸筋上部を使っていくため、ノーマル・ベンチプレスほど重い重量は扱えません。
また、三角筋前部への負荷の割合も増えているので、重いバーベルで行うと、痛めてしまう可能性があるのでやめましょう。
目安の重量としては、初心者はまず重りをつけていないバーだけでやってみましょう。それでも割と大変だと思います。
中級者以上の方は、ベンチプレスの6~7割の重さで行うと良いでしょう。
レップ数(=回数)は8~10レップ、セット数は最低でも2セット。3セットやればOKです。
- 1セット目 30kg 10レップ
- 2セット目 25kg 10レップ
- 3セット目 25kg 8レップ
インクライン・ベンチプレスのコツやフォーム
筋トレは正しいフォームで行わないと効果が薄れてしまったり、怪我の原因になったりするので、必ずコツを意識してやってください!
インクライン・ベンチプレスは、重い重量が上がらないので、『このやり方であってるのだろうか…ベンチプレスではそこそこ上がるのに…』と感じることがあるかもしれませんが、不安にならずに、軽い重量でも効かせられているかどうかを意識してみてくださいね!
脚・背中・胸の基本フォーム
ベンチプレス系の基本のフォームでは、脚・背中・胸、この3つを必ず意識しましょう。
脚は、両足とも足の裏全体を床にしっかりとつけて踏ん張れる状態にしておきます。上級者(ボディビルダーなど)になってくると、つま先だけをつける人もいるようですが、ほとんどの人がそこまでする必要はないと思います。
逆に、バランスが取れず、難しくなってしまうので、まずは足の裏全体を地面につけて、安定した状態でトレーニングしましょう。
次に、背中です。肩甲骨をよせ、背中を少し(拳一つ分くらい)浮かせてアーチを作ります。
そうした方が、胸筋に負荷を集中させることができます。
そして、胸はしっかりと張りましょう。これは肩甲骨を寄せることが出来ていれば、自然にできていると思います。
脚・背中・胸の基本のフォームを必ず守って行いましょう。
バーの握り方と手首について
バーの握り方には2種類あります。
ノーマルグリップと、サムレスグリップです。
サムレスグリップとは、親指を除いた(サム レス)4本の指のみで握るグリップです。
親指を使わないことで、自然と腕全体で支える正しい握り方ができるのがメリットです。…が、ベンチプレス系の種目でこの握り方はオススメしません。
理由は、手が滑ってバーベルを落としていまう危険性があるからです。長く筋トレを行っていけば、100kgのバーベルを扱うこともあります。それが胸や腹に落ちてくるなんてことがあったら…怪我じゃすまないこともあります。
なので、ベンチプレス系の種目では親指を添えて行う、ノーマルグリップで行いましょう。
ノーマルグリップで気をつけないといけないのは、手首を曲げすぎてしまうことです。
(画像引用元 http://ryukoku-sports.jp/trainingcenter/?p=2484)
画像はノーマルベンチプレスのものですが、インクライン・ベンチプレスでも同様です。
手首を曲げてバーベルを持ってしまうと、手首に負荷がかかり、痛めてしまいます。また、そこに負荷が逃げるということは、筋トレ効果が薄れるということでもあります。
手のひらは、足側に向けて、前腕全部を使ってバーベルを支えるように持ちましょう。
グリップの幅について
グリップの幅は、主に3種類あります。
- ワイドグリップ
- ノーマルグリップ
- ナロウグリップ
ワイドグリップが一番グリップの幅が広く、ナロウグリップが一番グリップの幅が狭いです。
それぞれ、グリップの幅によって、効く筋肉の部位が変わってきますが、基本のノーマルグリップで行うことをオススメします。
それぞれのグリップ幅のメリットやデメリットは、別記事で紹介していますので、詳しくはそちらを参考にしてください。
ノーマルグリップは、肩幅の約1.5倍の広さでグリップを握るやり方です。
肩幅を測って、それの1.5倍の数値を実際に出すのが一番いいのですが、バーベルに目安となる『81cmライン』が入っていることが多いので、そこを基準にするのも良いでしょう。
この赤の丸で囲んだところに、一部だけ柄が違う縦のラインが入っているのが分かると思います。これが81cmラインです。
ノーマルグリップなら、このライン上に小指を乗せて握るくらいでちょうど良いと思います。身長が高い人などは肩幅も広いので、薬指や中指をライン上に乗せて握ると良いと思います。そこは個々人で微調整しましょう。
ただ、このラインは目安であって、やりにくいなと感じた人は、もう少し手幅を狭めても問題ありません。
特に、インクライン・ダンベルプレスでは、少し狭めてやったほうがやりやすいという人が多いようです。81cmラインに小指を乗せる、もしくはそれより少しだけ内側でも良いかもしれません。
バーベルを降ろした時に、前腕(肘から先)が床と垂直になるくらいの角度で調整しましょう。
バーの降ろす位置について
インクライン・ダンベルプレスは、ノーマル・ベンチプレスよりも少し上側にバーを下ろすようにしましょう。
ノーマル・ベンチプレスでは、乳首の上、大胸筋の真ん中あたりにバーを降ろしたと思いますが、インクライン・ダンベルプレスでは、鎖骨の少し下、大胸筋の上の方にバーを降ろしていきましょう。
あまり下まで降ろしてしまうと、肩への負荷が増えてしまい、痛めてしまう可能性があります。
また、肩の筋肉では耐えられなくなって、バーベルをお腹の上に落としてしまうこともあるので、気をつけましょう。
肘を伸ばしきらない
スポーツなどでも同じことが言えますが、重い重量を扱う時に肘を伸ばしきってしまうと、負荷が肘にかかってしまい、痛めてしまいます。いわゆるテニス肘と同じような怪我の原理ですね。
また、負荷が肘にいくということは、それだけ胸筋に入る負荷が減るということなので、筋トレ効果も薄れてしまいます。
バーベルを上げた時は、肘が伸びきる少し手前で止めるようにしましょう。
反動で上げない
降ろした反動で、バーベルを上げるのも良くありません。反動を使った分、負荷が逃げてしまい、筋トレ効果が薄れてしまいます。
一番下まで降ろしたら、気持ち少しだけ一時停止を入れるようにしましょう。
インクライン・ベンチプレスを行う際の注意点
インクライン・ベンチプレスは肩や肘を痛めやすいトレーニングです。
怪我をしてしまうと、長い間トレーニングが出来なくなり、せっかく鍛えてきた筋肉が細くなってしまったり、モチベーションも下がってしまったりするかもしれません。
怪我をしないようにトレーニングすることは、筋トレを長く続けていくためのコツでもあるので、注意点を守りながら行いましょう。
軽めの重量から始める
大きい筋肉を鍛えるトレーニングは、高重量を扱えるため、より重いバーベルやダンベルを使っていくことになります。
しかし、まだ正しいフォームが身についていない状態で重い重量を持ち上げようとすると、全く違う筋肉や関節を使って上げてしまい、怪我をします。
他の筋肉や関節を使ったり、反動を使ったりすると、ある程度の重さなら上がってしまうので、『正しいフォームで出来ているんだ』と、勘違いしやすい原因にもなっています。
怪我をしないためにも、まずは軽めの重さで、正しいフォームを確認して、慣れてから行いましょう。
特に、インクライン・ベンチプレスは、胸筋上部と肩(どちらも小さめの筋肉)の負荷の割合が多いです。つまり胸筋中部という大きな筋肉を使うノーマル・ベンチプレスよりも、重い重量を上げるのには向いていないんだ、ということを考慮しておきましょう。
筋トレで重要なのはどれだけ重い重量を上げられるかではありません。軽い重量でもしっかりと効かせるコツをつかむことが重要です。
できるだけ周りに人がいる環境で
インクライン・ダンベルプレスで降ろしすぎたり、握力が疲れてきてしまうと、手を滑らせて、バーベルを胸やお腹に落としてしまうことがあります。
インクライン・ダンベルプレスでは重めの重量は扱えないとはいえ、急にお腹の上に落としてしまったら、大怪我になるかもしれません。
ジムにあるベンチプレスセットには、セーフティーバーがあることがほとんどなので問題ないとは思いますが、自宅で1人で行う場合は、十分に気をつけて行いましょう。
痛みや違和感を感じたらすぐにやめる
インクライン・ベンチプレスでは、肩と肘を特に痛めやすいです。
これらの部分に痛みや違和感を感じたら、その日のトレーニングは控えましょう。また別日にその分のトレーニングを行えばほとんど問題はありません。
また、なぜ痛みが出たのか、という原因を探すことも忘れずに行いましょう。
チェックするポイントとしては、フォームにおかしい部分はないか?、重量設定が間違っていないか?、オーバーワークになっていないか?などがあります。怪我なくトレーニングを続けていきましょうね!
セットで効果アップ!おすすめ筋トレメニュー
同じ部位を鍛えるトレーニングでも、やり方が違うだけで別の刺激を与えることができ、筋肉の慣れの防止になります。
似たような動きでも、使う器具が違うだけで、可動域や扱える重量、セット数などが変わってきます。できるだけ、色々なメニューを組み合わせてみましょう。
今回は、インクライン・ベンチプレスと合わせて行うと、より効果的なトレーニングを紹介します!
【インクライン・ダンベルプレス】もっと大胸筋上部を鍛えるならコレ!
インクライン・ベンチプレスのダンベルバージョンです。バーベルの代わりに、ダンベルを使います。
ダンベルの方が、可動域が広く使え、狙った筋肉をより大きく収縮させることができます。
また、ダンベルの方が自宅に準備しやすいため、宅トレをしている方や、胸のトレーニングの日にどうしても忙しくてジムに行けない日に宅トレする、など柔軟に対応しやすいのもメリットですね!
インクライン・ベンチプレスの後に、インクライン・ダンベルプレスでもっと追い込むのでももちろんOK!
もっと男らしい胸筋を作っていきましょう!
article coming soon…
【デクライン・ベンチプレス】大胸筋下部も鍛えてる?大胸筋に張り感を出そう!
デクライン・ベンチプレスは、上半身側を低くして(デクライン)行う、ベンチプレスです。
大胸筋の中でも特に下部を鍛えていきます。
下部を鍛えていない胸筋は、膨らみはあるものの、下に垂れ下がっていて、『胸筋?脂肪?』というだらしない体型に見られがち。
下部を鍛えて、胸筋とお腹にメリハリをつけることで、引き締まったカッコいい胸を作ることができますよ!
また、ほとんどの負荷を胸に集中させることができるので、高重量を扱うことができます。高重量・高負荷でパンプアップして、モチベーションアップも間違いなし!
デクラインベンチプレス |フォームやベンチの角度、重量について解説!
デクライン・ベンチプレスは、ベンチプレス系の種目の中で一番重い重量を扱えるトレーニングです。高重量・高負荷で徹底的に大胸筋を鍛え抜け!
【ベンチプレス】筋トレBIG3!胸筋を鍛えるならまずはコレ!
フラットベンチで行うノーマル・ベンチプレスです。
主に大胸筋中部を鍛えることができます。
胸筋上部や下部は、中部が鍛えられていないとつきにくいもの。だからこそ、ノーマル・ベンチプレスでまずは大胸筋中部を鍛えておくことをオススメします。
ベンチプレスのコツやフォームまとめ|手首や重量などの疑問を解決!
高重量・高負荷で強靭な胸に!バーベルを使った、大胸筋を鍛える『筋トレBIG3』の筋トレです!
まとめ
ここまでの内容のおさらいです!
- 脚・背中・胸の基本フォームを意識
- ノーマルグリップで握る
- 81cmラインを目安に肩幅の1.5倍あたりを握る
- バーは降ろしすぎない。鎖骨の下あたりで
- 肘を伸ばしきらない
- 反動で上げない
- 軽めの重量から
- バーを落とさないように注意する
- 痛みや違和感を感じたらその日はやめる
- 痛みの原因を考えて改善する
公式LINE@を友達追加して、ブログの更新通知や筋トレ情報を受けとろう!Tomboyに直接質問も可!筋トレのモチベーションアップにも繋がるゾ!